2019年11月11日
フェスタ・3
林田が会場に姿を見せたのは、午後になってからだった。
林田の会社が関係しているブースは、ハーバルを入れて3つ。他にも挨拶に回らなければいけない場所があり、なかなか忙しいようだ。
差し入れにとペットボトルが入った袋を渡し、問題などが起きていないか確認する。
「……ハーバルさんは安定だよね。うん。夕方、もうワンピーク来そうだから頑張ってね」
「だったら林田さんも手伝って下さいよぅ」
ミカが泣き言を言う。
朝から立ち通し、しゃべり通し。ミカにすれば本当に良く仕事をしている。
「いや、俺、向こうの…「お茶の吉田」の手伝いに行かないと…。まるっきり、手が足りてなくて…。その代わり、終わったら皆でご飯に行こうよ」
「あっ、ワインのトコね?」
「そうそう、ここの最上階のレストラン。オーガニックワインと地元野菜のコラボメニュー。…試食会だから…なんとタダ!!」
「わぁ…!」
そんな約束をして、慌ただしく林田はどこかに消える。
ミカは俄然元気になり、その後の仕事に精を出す。
イツキも…とても興味があるのだけど…、…自分にそんな食事に行く時間があるのだろうかと…心配になる。
なにせ、今日の仕事が終わったら、また車で3時間かけて家に帰るのだ。
本当に?
「……イツキくん、ごめんなさい…。帰り、運転、無理そうなの…。
近くに泊まるトコ見つけたんだけど……和室にみんなで雑魚寝でも…いいかしら?」
イツキの杞憂を知ってか知らずか、
社長の奥方がそんな提案を持ちかけて来た。
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これは…
ヤバイですよ!!笑