2019年11月13日
フェスタ・5
「…電池切れかぁ…。あたしとイツキくん、ケータイの機種が違うんだよね…」
程よく酔いが回ったか。ミカはのんびりした口調で、そう話す。
充電用のケーブルを借りようと思ったのだが、生憎、林田のものとも合わないようだ。
「多分、コンビニで売ってると思うよ…?」
「…んー、じゃあ、帰りに寄ってみます。…もう一杯、カベルネヴェネト、貰ってから…」
「あー、あたしもあたしも!」
3人共、飲み放題、しかもタダとあって…ついつい、飲み過ぎてしまう。
フェスタは明日もあるのだからと、どうにか自制して、21時でお開きとする。
若干ふらつく足取りでレストランを出て、下の通りでタクシーを拾う。
イツキは、社長夫妻が待つ旅館のメモを持って、じゃあまた明日と、ミカに手を振る。
林田は、本当はイツキを送ろうと思ったのだが…、大丈夫と、断られてしまった。
代りに、ホテルが同じ方向だったミカと、一緒のタクシーに乗り込む。
実はこの後、この二人はもう一軒、飲み屋に寄り……そのまま一夜を共にしてしまうのだが、
それはまあ、どうでもよい話。
「………すみません。…ここの住所までお願いします。……あ、途中でどこかコンビニに……」
イツキは一人、タクシーに乗り、運転手にメモ書きを見せる。
どこかでケータイの充電ケーブルを買おうと思っていたのだが……
車が走り出して暫くして…、……コンビニより確実に、充電ケーブルがある場所を思い出した。
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