2019年11月30日
フェスタ・17
松田の隣りで酒を飲んでいたイツキ。
松田は妙に上機嫌で、くすくす笑いながらイツキにチョッカイを出して来る。
かわすように酒を飲んでいると飲み過ぎてしまう。ふわりと来る、松田の男の匂いにも…困る。
『………俺、ちょっと…、……トイレ』
とにかく一度、傍から離れた方が良いと、イツキは立ち上がり席を離れて行った。
松田は内心「逃げられたな」と思ったが、まあ、急くものでもないと後は放っておいた。
「……アブナイ、アブナイ…」
用を足し、手を洗い、濡れた手で髪をちょいちょいとやる。
酒が回ると、ゆるい身体が余計にゆるくなる……自覚はある。
「……もう、今日は飲まない。止めとこ…」
そう自分に言い聞かせ、両手で頬っぺたをぱちんと叩いた。
トイレを出ようと扉をあけるも、何かにつかえて、少し押し戻される。
確か、前は細い通路。誰か人にでも当ててしまったかと、今度はゆっくり扉を開け外を伺う。
そこにはスーツ姿の男がいた。一瞬のことで顔は解らないが、体格の良い…いかつい感じ…。
「………ッ」
イツキが警戒する間もなく、男は足で開きかけの扉を蹴り身体を捻じ込んでくる。
狭い部屋。
肩をぐいと入れられ身動きが取れなくなる。片手で腕を掴まれ、片手で口を塞がれる。
「…ああ、もう。そんなに乱暴に扱うんじゃないよ。……大事なコ、なんだからね」
もう一人、別の男が、扉の向こうに立っていた。
この記事へのコメント
一番警戒していた、あいつか!
Posted by はるりん at 2019年12月01日 07:52
警戒していた割に詰めの甘いいっちゃんw
Posted by ぼたん at 2019年12月03日 21:49
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