2019年12月06日

フェスタ・21







今、自分がイツキと一緒にいることは、まだ黒川は知らないはずだ。
イツキが助けを求める間も、無かっただろう。
それとも、まさか、この二人は…特に用事が無くても連絡を取り合うのが常で、それが途絶えた時は有事の合図…とでも言うのだろうか。


「……まだ、ちょっと…、……早いよなぁ……」


笠原はケータイのディスプレイを眺め、そう、呟く。
諸々、交渉や取引があるにしても、まだその段階では無い。
結局、その電話には出ずに、笠原はケータイをそのまま内ポケットにしまう。



「……ふん。鼻がいいね、あの男は…」
「……こんなこと、すぐにバレます。笠原さん、マサヤに…怒られますよ…」
「ハハ、怒られる…か。大事な大事なオモチャを横取りされて…ってか。……ガキかよ!」



声を荒げる笠原に、イツキは一瞬、ビクつく。
本当に、すでにこのことを黒川が知っているなら、何か、手を打ってくれるのだろうが…
……それはそれで、また、……胃と腹が、痛くなる気がした……。

















『……イツキくん、消えちゃったんだよね』

さして交遊もない田舎のヤクザが、わざわざ電話をして来てそんな事を言う。
松田が今までイツキと一緒にいたことも驚きだが、その松田が、そうやってイツキの身を案じていることも不思議だった。
……何か下心があるのか……と思うが、それはまた後で聞くことにする。

『……消えた?……一人で遊びにでも行っているんだろう、どうせ…』
『いやいやいや。…なんか、コワモテと一緒にお店、出て行ったみたいでさ。……あんたが迎えに来たのかと思ったんだけど…』
『………いや…』



さすがに黒川も、思い当たる節が在り過ぎて、胸がザワリとする。






posted by 白黒ぼたん at 23:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
黒川さん、早いとこお願いしますよ〜
いっちゃん、不安になって待ってますよ〜
Posted by はるりん at 2019年12月07日 16:08
本当に。
呑気に構えてると
取り返しのつかないことになりますぜ!
Posted by ぼたん at 2019年12月09日 21:13
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