2019年12月13日

フェスタ・26







「黒川は、制裁を受けるべきだと思うよ。イツキくんの人生を滅茶苦茶にしたんだからね。
…ふふ、同業を売る様な真似はしたくないんだけどねぇ…、警察か…、週刊誌でもいいね、イイ記事を書く記者を知っているよ。
…ま、イツキくんも…、……大変になっちゃうけど……」



笠原の言葉が俄かには理解出来ずに、イツキはゆっくりと笠原を見る。
相変わらず、薄く笑う。どこまでが本気なのか、解らない。



「…………笠原さんは、………何が、望みなんですか…?」
「……んー?」
「……マサヤの、……失脚?」
「…それもあるけど…」



笠原は身を乗り出す。狭い車内でイツキの逃げ場はない。
身体をぴたりと寄せ、最初のキスのようにイツキの頬に手をやるのだが、唇は重ねない。
真正面から見つめられる方が困る。けれど、その目の奥に真実があるのかも知れないと…イツキは、笠原の目を見つめる。



「……俺のオンナになれよ」



それが真実なのだとしたら、一番、タチが悪い。




「……か、笠原さんは…、俺のこと…、……別に、何とも…思って無いでしょ?……ただ、俺が…マサヤの、だから……、……欲しいだけでしょ?」

「そんなコトはないよ、イツキくん………」

「マサヤの物が欲しい、とか………、人のオモチャが欲しい子供と、一緒…だね」





posted by 白黒ぼたん at 23:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
俺の女になれだなんて、笠原、いっちゃんの、何を知ってるのよ〜( ・᷄д・᷅ )
いっちゃん、いい事言うね!
Posted by はるりん at 2019年12月14日 07:21
人のものだと思うと
欲しくなっちゃうんですかねー
笠原、子供だ。笑
Posted by ぼたん at 2019年12月15日 23:50
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