2019年12月15日

フェスタ・27







『人のオモチャが欲しい子供と、一緒』


そんな事を言われて、今度は笠原が、イツキの目の奥を見つめる。
怖がり怯え、身を固くしていたくせに、…いけしゃあしゃあと、気に障る事を言う。
生意気な子供だと、笠原は厳しく睨む。空気が変わった事に気付いたイツキは、ひとつ、息を飲む。
それでも臆さない芯の強さが、滲む。



「……こんな、……回りくどい、面倒臭いコト…しないで……、オモチャ、貸して欲しい時は、貸して下さいって…お願いするんですよ」
「……へえ。お願いしたら、貸してくれるの?」
「…いいですよ…」




強気に出たイツキには、勝算があった訳ではない。
ただ、もう、本当に、このやりとりが嫌になっていたのだ。
警戒し、身を潜める生活も、薄ら笑みを浮かべ、のらりくらりとやり過ごす様も。何もかも。

体当たりで身を崩してでも、この状況を、どうにか変えたかった。






「身体ぐらい、貸してあげます。……まあ、どうしたって…マサヤの、だけど。
笠原さんは、……人のオモチャで遊ぶぐらいしか……、出来ないんですもんね」


「……ハァ?」





さすがに言い過ぎたか。

笠原はイツキの胸倉を掴み締め上げる。さらに身体と顔を近づけ威嚇する。





posted by 白黒ぼたん at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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