2019年12月20日
フェスタ・31
「フェリーチェ」は表向きは普通のクラブだが…裏では違法なゲームなどが出来る場所だった。
建物自体が笠原の縄張りで、上の階には事務所がある。…おそらく、そこいらに監視カメラも設置されているだろう。
店の入り口の前には、見張りとおぼしき黒服の男が一人、立っていた。
そこに松田が、何食わぬ顔で近づいて行く。
黒服は、見慣れぬ男をいぶかしみ、険しい表情を見せる。
「………何か、…用か?」
「……アー、ここ、飲み屋じゃねぇの?……入っちゃ駄目なの?」
「……今日は駄目だ。……貸し切りだ」
松田は黒服の肩越しに、店の様子を伺おうとする。
…もっとも、店は、通路の奥の扉の、さらに奥で…、様子など解るはずもない。
それでも松田はキョロキョロと、わざとらしく中を覗き込む。
「へー、貸し切り?何?宴会でもやってるの?……それにしちゃ、ずい分、静かじゃん?」
「……これから始まるんだよ!……いいから、帰りなっ」
黒服は、ただの酔っ払いを追い返すような素振りで、松田をあしらう。
松田も、通りすがりの冷やかし…といった感じで、へへへ、と笑い、店の前から立ち去った。
「……まだ来てないみたいだぜ?、今から、来んじゃね?」
松田は、少し離れた物陰に身を潜める黒川の元に戻り、そう言う。
その、…身軽で大胆な様子に、黒川は少し驚いていた。
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これから黒川さんと一緒にやって行ったら面白そうですけどね
一の宮さんとトリオを結成!
このままこっちに居てくれてもいいですね〜