2019年12月27日

フェスタ・38







風呂に入って身体を温め、ベッドに辿り着く頃には、もうイツキは半分以上夢の中といった具合で
さすがに、黒川も、………それはそれで楽しそうだが………、手を出すのは憚られた。


愚痴も説教も、また次回。今は、
自分の腕の中に納まっていれば、それで十分。と。

仕方なく、認める。





「………マサヤ…」
「…なんだ?…」

もじもじと身体を揺すりながら、寝言のようにイツキが口を開く。
ヤリたいのかと思わせぶりだが、どうやらそうでは無いらしい。

「……笠原さんって、……もしかして…本当は、…本当に、話がしたかっただけなんじゃないかなあ………」
「…ハァ?……拉致られて、アジトに連れ込まれる寸前で、よくそんな事が言えるな…」
「……だって、……結局、何もされなかったよ?……コワイ事は、言われたけど…」


あの状況で、よくそんな事が言えるものだと、黒川は呆れるのを通り越し、少し、不機嫌になる。
良くも悪くも、イツキは優しくて寛容なのだが、こんな時にまで発揮されるものではないだろう。


「…はー、そうかい。じゃあ、わざわざ俺が行く必要も無かったな」

「………マサヤ、格好良かった。俺、びっくりした……」


ふん、と鼻息を鳴らす黒川に、イツキは抱き付く。
少し濡れた髪の毛からは石鹸の甘い匂いがする。


「……嬉しかった。……マサヤ」


身体をもじもじと揺するのは、寝ぼけている訳ではないようだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いっちゃん、( ´,,•ω•,,`)♡
黒川メロメロ〜
Posted by はるりん at 2019年12月28日 10:31
もう、手放せないですよねー
いっちゃん…恐ろしいコ!
Posted by ぼたん at 2019年12月28日 20:58
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