2020年01月06日

祭小話・1







先日のフェスタで書ききれなかった(書き忘れた)短いお話




ミツオが会場にやって来たのは、フェスタが始まってすぐの事。
午後からは自分の仕事もありゆっくりは出来ないが、それでも、関りがあるイベントなのだし挨拶はしておきたい。

「お疲れさ……」

お茶と簡単につまめるものを袋に入れブースの前に立つ…が、すぐに人垣に押されてしまう。
ただでさえオープン直後は人が多く、仕事も不慣れで大わらわで…、ハーバルの面々はミツオの存在に気付いたものの、ぺこりと頭を下げるのが精一杯。

「……ああ、このユーカリの方はサンプル無いんです。そうです、そうです、ネットに出ている商品と同じです。…え?クリームじゃなくてオイルですか?……えっと…」

イツキもミカも忙しそうだ。
ミツオは諦めて、ブースの奥で段ボールを開いていた社長に手土産の袋を渡し、その場を離れて行った。


賑やかな会場はまさにお祭り状態で、大変ではあるものの、楽しそうだ。
こんなことなら自分も、自分の仕事を休んででも参加すれば良かったと、ミツオは少し後悔した。





まとまった休憩時間は取れないが、途中途中、少し抜ける。
バックヤードに引っ込んだイツキは手提げ袋の在庫を確認しながら、ミツオが持って来てくれたおにぎりを食べた。
味は、からし明太子だった。





昼過ぎ、落ち着いた感じの綺麗な女性がブースにやって来る。
一通り商品を眺め、イツキに、水仕事をするのに良いクリームを探しているのだと言う。

「…でも、あまり匂いのキツクないものが欲しいの。お食事を提供したりするのに、障りになると困るので…」
「ではこちらのバームはどうですか?柑橘の匂いはあるんですけど…使うの少量で…、手の平で温めて、薄く伸ばして塗り込むんです…」

イツキはサンプルを開け、女性に勧める。
飲食店で働いているのだろうか…、どことなく見知った雰囲気…、ホステスさんかも知れないとイツキは思う。





posted by 白黒ぼたん at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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