2020年01月17日
祭小話・9
少し意地悪をして、からかう位のつもりだった。
イツキを自分のものにする事が本当の目的なら、拉致してすぐに、決して追えない場所に連れ込めば良いのだ。
脅しで語ったように、若い衆に乱暴させ、二度と表に出られない程ぐちゃぐちゃに…、身も心も傷つき壊れ、抵抗の意志すら湧かないほど虐げ
最後に自分に傅かせてもいい。その様子を黒川に見せれば、さぞ滑稽だろう。
けれどそれが目的では無かった。
お喋りを楽しむために回り道をして、「フェリーチェ」に向かう。
喉が張り付く程乾いているイツキに、何か、冷たいものを飲ませてやってもいい。
多少の嫌がらせは、今までの確執にくらべれば、可愛いものだろう。
後は黒川を迎えに来させてもいい。
すべて冗談めかして、この茶番を幕引きにしよう。
誤算だったのは、意外に早くコトが露見し、足が付いてしまった事。
黒川が激怒し、手を挙げた事だった。
「……カシラ。このまま黙って返しちまって良いんですか?……奥に、若い奴ら、控えさせてます、…一気に叩いて潰しちまっても……」
「……いや、いい、いい。……先に手ぇ出したのは俺だからな…。…ハハ。……もう、あいつに関わるのは面倒臭ぇわ……」
獲物を奪い返されたというのに、あっさりと身を引く笠原を、部下たちは訝しんだが
笠原の中で、とうに、祭りは終わっていたのだった。
無理やりタイトル回収…笑
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良かった!
いっちゃん、黒川の元に戻れるかな?