2020年01月24日
イツキと松田・4
酷いけれど馴染みの深い黒川か、新しい生活、新しい仕事、新しい自分のココか。
悩み憂い酒を飲むイツキも、色っぽいなと、松田はニヤニヤ笑う。
最初に、露天風呂で出会った時から変わらず思うのは
オモシロイ。見ていて飽きないイツキの仕草だった。
気になる加減が絶妙で、触り過ぎず、かといって満足できるほど迫ってくることもなく。
一度抱いても、足りず。面倒なトラブルを背負い込んでも、それすら……魅力で。
「……でも、それはそれで…、駄目って言うんだろうなぁ…マサヤ」
「イツキくん、溺愛されてるもんなぁ」
「……溺愛じゃないです。束縛です。……マサヤは俺を、自分のモノにしておきたいだけです」
「……それは…」
『結果的には一緒デショ?』と松田が続けようとした時、イツキのポケットのケータイが鳴る。
イツキはあからさまにギョっとした顔をして、ケータイを取り出し、ディスプレイの名前を見て…やっぱりという風に鼻で大きく息をつく。
松田もピンと来たのだろう。「……黒川さん?……出ていいよ?」と言うと、イツキはぺこりとお辞儀をして、気持ち、身を反らせて電話に出る。
『……ハハハ。…イツキくん、盗聴器でも仕掛けられてんじゃない?』
と、松田は心の中で思ったが、もしかしたら声に出ていたかもしれない。
「……マサヤ。……ん、ご飯食べてたとこ。……あ、そうなんだ、……おつかれさま。
………え、……少し、飲んでる。………え、……えーと………」
イツキは黒川に何か聞かれたのか、ちらりと松田を見て…言葉を濁す。
束縛男のことだ。どうせ誰と一緒だとか聞かれているのだろうと、松田は察し、イツキに、電話を貸してごらんという風に手を伸ばす。
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ヤキモチ妬く??
と言いつつ、内心、大慌てですよww