2020年02月14日

一週間・3







「イツキくん、この仕事、向いてると思うよ。フェスタでお客さんと話してるの見て、思ったもん。……細かい作業だって、嫌じゃないしさー」
「ん。……仕事は、結構、好き」
「じゃあ、いいじゃん。ずっと、いてよー」



豚ロース上とんかつ定食をつまみにビールを飲みながら、ミカはイツキを引き止める。
途中、林田が合流し、ミカの隣りに座り、同じ定食を注文する。
ミカと林田の付き合いは、良い感じに続いているらしい。





「…ああ、人、増やす話ね、聞いてるよ。…そうだよね、イツキくんがずっといてくれるなら、計画も変わってくるよね」
「…でも、そう言われちゃうと…、……そこまで俺、ちゃんと仕事、出来るかなって…」



イツキは小鉢の切り干し大根を食べる手を止め、少し、考え込む。



「………彼氏は?………何か、話したの?」


黒川を知る林田は、覗き込むようにイツキを見る。イツキはふるふると首を横に振る。
週末に会った黒川は、帰って来いとも、仕事はどうだ、とも…何も言わず。ただセックスするだけで、終わってしまった。



「……なんか、良く解らなくて…。聞いても、勝手にしろって言われそうで…」

「イツキくん、もうその彼氏、別れちゃえば?……で、こっちで新しい人、見付ければいいじゃん。………松田さんとか、どう!?」



ミカは冗談で適当な事を言うのだけど、意外と核心を付いていて、イツキは笑った。





posted by 白黒ぼたん at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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