2020年02月20日

一週間・7







鍵を回し、ドアを開く。
部屋の中は真っ暗。明かりを付ける前に玄関の段差に躓き、持っていた鍵を落とす。
拾おうと身を屈める。

瞬間、後ろからドンと押され、前のめりで倒れ込む。



「………ッ、……、な………に……」



すぐに、背中に圧がかかる。うつ伏せで倒れたイツキの背に、誰かが覆い被さる。
押し入られたと当時に玄関のドアも閉められたか、外廊下の僅かな灯りすら届かない。



「………え、………松田さん?……」



最初は何かの冗談だと思った。松田が、やはり追いかけて来て、何か……と思ったのだが、違った。
必至に身を捩らせると、薄闇の中、男の姿がほんの少しだけ見える。


総柄のシャツ……松田はスーツ姿だった……、ゴツイ手の平は叫ぶイツキの口元を塞ぐ。
顔は見えなかったが、……チラリと、金色の髪の毛が揺れた。



「…………っ……ん………んんっ」



隣りの部屋の住人だと思った。そして、自分は襲われているのだと気付いた。

気付いた時にはすでに逃げ道は無かった。

イツキの口元を塞いだ手はそのまま、何かタオルのようなものを、イツキの口の中に詰め込む。
着ていたジャケットの後ろ襟を引き、背中まで下すと、袖がもたつき腕が動かせなくなる。




緩んだ服の裾から、男の手がするりと入って来る。
素肌に直に触れた手は少し冷たくて、その刺激だけでも、鳥肌が立った。





posted by 白黒ぼたん at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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