2020年03月06日
元鞘
「……まあ、いい頃合じゃないのか。……笠原も光州会も大人しくなったしな。
……だいたい、あいつは、どこにいたって問題を起こす。……すぐに色目を使って男を咥え込む。身に染みたんじゃないのか。どう足掻いたところで、結局、そういうコトになるってな。
……諸々後始末を考えれば、俺の手元に居た方が都合がいいだろう」
「はあ」
事務所で。黒川はイツキがこちらに戻って来る旨を一ノ宮に説明する。
その内容は、イツキに電話した時のものとは違い、いつもの横柄な、人を馬鹿にしたようなものだったが
一ノ宮はさして気に留めていない。
「すぐにですか?……荷物も増えたでしょう、迎えに行った方がいいのかな?」
「いや。来週以降だとよ。仕事の引継ぎがどうの、こうのと…。石鹸屋だかなんだか知らんが、……偉そうに。
はは。イツキに、身体を売る以外に出来る事があったとはな、驚きだよな。いい暇つぶしだったろうよ」
「イツキくん、意外と様になっていましたよ? 所作も綺麗ですし…女性相手の接客業は向いているのかも知れませんね」
そう言われ、一ノ宮はイツキの仕事の様子を知っているのかと、黒川は不審の目を向ける。
一ノ宮はそれをさらりと流し、ふふと、静かに笑う。
「とにかく。良かったですね。これであなたも一安心でしょう?」
何をどう言っても一ノ宮には見透かされているような気がして、黒川は、ふんと一つ鼻息を鳴らした。
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おうちにつくまでが遠足だから!みたいな
や、こっち帰ってきてもいざこざが減るわけじゃないけどもぉ
いっちゃんが帰ってくる
また黒川さんとの、濃厚な日々が〜
おうちにつくまでが遠足!確かにー
いっちゃん、気を抜いちゃ駄目よ〜
はるりんさま
ああ。濃厚な日々、待ち遠しいですね。
きっと暫くは、スゴイですよね!