2020年03月14日
似たもの同士
寝室の明かりは付いていて、黒川はベッドで身体を起こし、何か、書類に目を通していた。
イツキが来ると顔を上げ、まとめた書類をサイドチェストに置き、淡い光だけを残して電気を消す。
イツキは小さく息を飲んで、ベッドに上がる。どっこらしょと黒川を乗り越え、壁側のスペースに身体を潜り込ませる。
「……何だ?……何の匂いだ?」
「………あ。…ハーバルのボディバター?……期間限定モヒート風、フレッシュミント…」
「…なんだ、そりゃ……」
イツキの答えに、黒川は可笑しそうに鼻で笑う。
それでも、香りはいい。キツ過ぎず、体温でほのかに立つ。
「…いろいろあるんだよ。オイルも…季節ごとに違う香りで。…定番のグレープフルーツも好きだけど、…先月までストロベリーが出てて…、甘くて美味しそうで……。
仕事中に付けてたら急にミカちゃんが、お腹が空いたって言い出して……」
「……ふぅん」
布団に入り、もぞもぞと身体を動かし、そう話ながらイツキは自分の居場所を見つける。
黒川は横向きに寝そべり、イツキを眺めながら、ニヤニヤと笑う。
「………ベッドで、……そんな話か?………他にあるだろう? 話が」
「…………あ」
黒川が腕を伸ばすと、簡単に、イツキに届く。抱き締められて、本当に、ここに戻ってきたのだと思う。
「…………冷蔵庫の、牛乳も、新しいのだった。………マサヤ、買っといてくれた?」
そんな話に、黒川はもう返事をするのも馬鹿らしいと言う風に
イツキの唇を、キスで、塞いだ。
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まあ、久しぶりだし、大目に見ましょう。