2020年03月27日

避難







カーテンの隙間から差し込む陽の光と腕の痛みで、黒川は目を覚ます。
痛む、腕の上には、イツキの頭が乗っている。
茶色い猫っ毛。白い肌。影を落とす長い睫毛。薄く開いた唇。
気持ちよさそうに寝息を立てるイツキをしばらく眺めようかとも思ったが…、……腕が痺れた。
黒川は、テーブルクロスを引くように素早く、腕を引き抜いた。





結局、ゆうべも、してしまった。
これほど重ねても飽きもせず、満足もせず
また新たな欲求が湧くのが、不思議だった。
追うと、ずぶずぶと沼に沈んでいくようだ。
身動きが取れず、息すら出来ず。それでも離れられず、

知ってはいたが、本当に、タチが悪い。







イツキが目を覚ました時には、もう部屋に黒川の姿は無かった。
あまり寝ない男だとは知っているが、それにしても、少し心配になるほど。
すぐに出掛けなければならないほど仕事が忙しいのか、それとも、他に寝る場所があるのか。
まあ、一緒にいればいるだけ、……身体を重ねてしまいそうなので…、……傍に居ない方が助かる時もある。

「………マサヤ、……元気過ぎ…。俺の方が、身体、持たないよ…」

イツキはシャワーを浴びながらそう呟くのだけど、それは、お互いが思っている事だった。







「…雅也、そんなところで寝ていては、余計、腰に悪いですよ?」


事務所のソファに寝転がる黒川に、一ノ宮は呆れて声をかける。
片方の肘掛に頭を乗せ、もう片方に足を乗せている。
黒川は一ノ宮をちらりと見遣り、構うな、という風にふんと鼻息を鳴らした。





posted by 白黒ぼたん at 00:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
お互い体がもたないと思っているところがおかしい(≧∇≦)
Posted by はるりん at 2020年03月27日 07:21
そして、お互いが
相手に求められて困るっっ
て思ってるんですよねー笑
Posted by ぼたん at 2020年03月27日 21:32
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