2020年03月31日

イツキのおでかけ・5







「梶原は?……ガッコ、どう?……勉強、難しい?」
「あー、ううん。…好きでやってるしな。…ああ、でも一年は一時間目が多くて、朝早いのが大変…」
「……カノジョとか、出来た?」


デザートのチョコレートパフェを食べながら、イツキが悪戯っぽく聞く。
…梶原が、イツキを好きだったと…、知らない訳ではないだろうが、……イツキにとってはハナからその対象ではないのだろう。
梶原はチーズケーキを乗せたフォークを口の前で止めて、イツキを見る。

高校の頃と変わらず可愛い。……その上、さらに、色香が増した気がする。


「………出来ないよ。……作る気もないし」
「…ふぅん?」


そう惑わすような返事をして、話はここで終わってしまった。




ファミレスを出て梶原は、…無理して背伸びをして、…次はちょっと大人びた店に行こうとしたのだが
イツキは時計を見て「……あー、俺、もう帰んなきゃ」と申し訳なさそうに言う。
大人びた店に行ったところでこの二人では、酒が飲も飲めないのだ。これ以上、誘うことは出来なかった。


「……そっか。……じゃあ、またな、イツキ」
「…………ん」
「……イツキ」



バイバイと手を振るイツキに、梶原は一歩近づく。イツキは一瞬よそ見をして、タクシー乗り場に車が停まっているかなどを確認する。



「………イツキ、……また、連絡していい?………また、メシ、とか…」
「勿論。昼間、どっか遊びに行くのもいいね。梶原、また誘って?」
「………おお!!」




多分、裏表のない素直なイツキな言葉に梶原は大いに喜んで、
じゃあな、と手を振って、タクシー乗り場に向かうイツキを見送った。





posted by 白黒ぼたん at 21:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
梶原くんは、いっちゃんの本当に数少ない友達
いっちゃんも梶原くんを大切に思っていますよね
梶原くんが踏み込みたくても、いっちゃんには見えない壁のようなものがあって…
このまま、ずっといい友達で行くしかないですね
Posted by はるりん at 2020年04月01日 17:16
確かに友情以上の気持は持っているけど
踏み込めないですよねー。
いや、踏み込んじゃダメだよ、梶原。
Posted by ぼたん at 2020年04月01日 20:20
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