2020年04月17日

知らないイツキ







ベッドに横になるイツキに覆いかぶさり、シャツの端から手を滑らせる。
素肌の感触を確かめると、くすぐったさを我慢するように顔を横に反らせ、……その無防備になった首筋に、唇を這わせる。
何度も、何度も、辿った行程だが、イツキは慣れることもなく、恥ずかしそうに目をきゅっと閉じ、もじもじと身体を揺すってみせる。

何度も、そうしているのに。
知っているイツキの身体なのに。

イツキはふいに顔をこちらに向け、じっと見つめる。
ニコリと微笑み、背中に腕を回されしがみつかれると…、……まるで知らない、初めてのカラダを抱く気になる。



どれほど仕事に疲れ、深夜に帰って来たところで、容赦はない。
酷い話だ、と、黒川は思う。



飾りにもならない胸の突起に歯を当てると、痛い痛いと喚きながら悦び
少し優しくしてやれば一瞬、気をゆるめ………、その隙に勝手に独りで達し、黒川を巻き込む。
ペースに飲み込まれまいと堪える黒川に、イツキは視線を投げ、誘うように笑う。
いつの間に、こんな顔を見せるようになったのかと、少し、驚く。







「………ウチでずっと待ってるのも…、寂しいし。………マサヤ、…忙しそうだし…。
………俺、なんか…、また、……仕事でも……しようかなぁ……。」

「……好きにしろよ…」

「……本当?………実はちょっと、話があってね……」


まだ熱の残る身体を黒川に摺り寄せて、イツキはふふ、と微笑んだ。






posted by 白黒ぼたん at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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