2020年04月19日

付かず離れず







イツキを、疎ましく思っている訳ではないが、慣れ合おうとも思っていない。
一緒にいる時間が長すぎるが、将来を誓い合った仲でもあるまいし、必要以上に束縛するつもりもない。
……まあ、多少の情は沸く。以前のような、酷い「仕事」はさせない。
それでもイツキは自分から、最低限の仕事は請負うと言う。いい心がけだ。

付かず離れず。丁度良い距離感で、バランスで。傍にいればいい。








「……俺、……寝るの、別の部屋にしようかな…」
「…は?」
「……マサヤが書斎にするって言ってるトコ。……あそこ、片付けて、ベッド入れようかな……」

イツキは急にそんな事を言い出した。
寝室の横に大きめのウォークインクロゼットがある。廊下からも入れる扉がある。
3畳ほどだろうか納戸と言われるような部屋で、今は適当に荷物が放り込んであるが、いずれ黒川はデスクと本棚を入れ、仕事部屋にすると言っていた。

「……俺とマサヤ、結構、寝る時間が違うじゃん。部屋、分けてもいいかなって……」
「あんな窓もない部屋か、……狭っ苦しい…」
「いつも一緒にいると、いつも、……エッチしちゃうでしょ?マサヤ」
「………俺か?俺のせいか?」

思わず、大きな声が出てしまう。それを見て、何故かイツキは楽しそうに笑う。

「………する夜は、……ちゃんと寝室に行くよ」








丁度良い距離感と言うものを、イツキも探っているのだろう。
従順なペットとは違う、蜜月の恋人同士とも違う、何になれば良いのか、落としどころを探る。

最近は、イツキの方がその答えを見つけたようで……どうにも、調子が狂う。






posted by 白黒ぼたん at 22:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いっちゃんの程よい距離感探しに、黒川は焦ってますよ!
Posted by はるりん at 2020年04月20日 06:30
変化について行けないのは
黒川の方みたいですね。
ふふふ。見捨てられないように
頑張らなければ!
Posted by ぼたん at 2020年04月20日 22:42
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