2020年05月11日
気掛かり
小野寺の事は酷く気掛かりではあったけれど
そればかりを考えてもいられなかった。
午後になるとそれなりに仕事は忙しく
イツキもミカも無駄口を叩く暇もなく、真面目に働いた。
閉店間際に、ミツオがやって来た。
せっかくだからと仕事が終わるまで外で待ち、イツキとミカに夕食をご馳走してくれた。
「……えー、あたしも一緒に良いんですかー?」
「勿論。2人ともお疲れさま。まだ明日もあるもんね、頑張ってね」
本来ならミツオは、イツキと二人きり…静かに酒が飲める場所でゆっくり…したかったのだろうが、……明日の仕事もある。
同じエキナカのビストロで、グラスワインを一杯だけ飲み、早々に解散した。
イツキがいやに大人しく、静かに微笑んでいるだけなのが気になったが
慣れない仕事で疲れているのだろうと……思った。
イツキが部屋に帰ったのは、23時近く。
たまたま黒川も仕事が引けたようで、同じような時間に、部屋に帰って来た。
イツキは風呂に入り、寝間着替わりのシャツを羽織り、ソファの、黒川の横にぴたりとくっつく。
「………何だ?」
「……………んー。……何でもない。………先に、寝るね」
「ああ…」
そう言って、この夜は、寝室の隣の納屋の、狭い自分のベッドに潜り込む。
大事な話は、明日の仕事が終わってから話すことにした。
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