2020年05月22日

少し前の話







『最終日ですし。労いも兼ねて。皆で食事にでも行きませんか』と
黒川は一ノ宮にそそのかされ、嫌々仕方なく、イツキの仕事場を訪れていた。

けれど時間が遅かったのか………黒川がギリギリまで出掛けるのを渋ったためだったが………、売り場は閉まっているようで、透明なシャッターが下りていた。

黒川は舌打ちしながら中を覗き込む。一ノ宮は少し、困る。
ふと、向こうから若い女性が二人歩いてくる。ミカとユウだった。
先日のフェスタも見に行った一ノ宮は、イツキと一緒に働いていたミカを覚えていた。



「………すみません、……ハーバルの従業員さんですよね?」
「………えっ、……は、はい…?…」


あまり化粧品売り場には縁のなさそうな、スーツ姿の男に声を掛けられて、ミカは身構える。
声を掛けて来た方はまだ、物腰穏やかな風だが、……もう一人の男は明らか険しい、怖い雰囲気。



「私共、岡部イツキの身内なのですが。……イツキくん、もう、帰ってしまいましたか?」
「えっ、……あっ…、………ああっっ」



ミカは、イツキにカレシがいる事を知っている。
咄嗟にこの二人のどちらかなのだろうと思う。思うが…、……いや、歳が離れすぎているのではないかとも思う。
しかも向こうの男は不機嫌そうで、怖すぎる。……ああ、イツキくん、怖い人と付き合っていると言っていた……と、考えがぐるぐる回る。

慌てるミカの代わりに、ユウが、通用門を指さしながら答える。



「……彼、なんか、呼び出されちゃって。……まだ中にいると思いますよ」






posted by 白黒ぼたん at 21:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
絶妙なタイミング!!
早く行ってあげて〜
怖い彼さん!
Posted by はるりん at 2020年05月23日 15:40
とりあえず間に合いそうですね。
出会い頭にぶん殴る、とか!
Posted by ぼたん at 2020年05月23日 21:40
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