2020年05月24日

人の目







会議室の扉の前に小野寺と、小野寺に腕を掴まれたイツキ。
少し離れて、車の到着を知らせに来たこの施設の長、柳という男。
社員食堂から抜けて来た、黒川とミカ、案内して来たスーツ男。
社員食堂には他にも何人か、人の姿があった。





黒川はイツキと一緒にいる男が小野寺だと解ると、さすがに驚き……ふうと息を一つつく。
小野寺は表向きは、ホテルや商業施設を手掛ける企業の会長なのだ。こういった場所にいることも、まあ、あるのだろう。

たまたま出向いた先でイツキを見掛け、さっそく、声を掛けたという所か。




つかつかと黒川は小野寺の元へ歩み寄る。
小野寺もまた、少し驚いた様子。
イツキを掴んでいた手が緩んだのか、イツキは小野寺から離れ、
すぐ目前まで来た黒川の、横にぴたりと張り付いた。





「……どうも。小野寺さん…」
「はは。鼻がいいね、黒川くん」
「…こいつに、何の御用でしたかね…」
「ん?……ちょっと付き合ってもらおうと思っただけだよ」


小野寺は軽く笑い、イツキを横目で、ちらりと眺める。
そして、こんなに人がいる所で話すべきコトではないと、一歩前に出て……わざとらしく小さな声で囁く。



「……イツキくんみたいな子がこんな場所に、いちゃ、駄目だろ?……勤め先にもテナントにも、失礼だよ。……素性を知られては、大変だろう?」

「……素性を知られて困るのは、あんたも一緒だろう、小野寺さん」


黒川は静かに言い返す。

そして、意外な笑顔を浮かべ、………何かを取り出すのかスーツの内ポケットに手を入れた。





posted by 白黒ぼたん at 23:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コソコソと威嚇しあってますけども笑
内ポケットから何を取り出すのか〜
Posted by はるりん at 2020年05月25日 06:54
ヤバイ、ブツ。

では無かったようですよ〜
Posted by ぼたん at 2020年05月26日 20:06
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