2020年06月26日

バカンス・2








指先も唇もそれ以外の部分も、交われる箇所はすべて交え絡まっているというのに、真に考えていることはナカナカ解らないものだなと、
お互い、思っていた。


イツキは、……自分を束縛し時には気遣い、危険から守ろうとする黒川が、未だに「仕事」を振って来ることが、少し意外だったし
黒川は、……イツキがその「仕事」をさして嫌がりもせず、引き受けることが不思議だった。







「………マサヤ。……何か、…した?………なんか、……違う…」
「………ん?………ふふ、違うか…?」
「…お尻、…熱い。……やだ、………へん……」


バカンスの前日。
先に出発するイツキは、一週間ほど黒川と離れることになる。
その分、という訳でもないが、……その夜はいつもより時間を掛け、コトを致していた。

黒川はイツキに潤滑剤をたっぷりと塗り込み、自身を埋める。
その潤滑剤が、実はいつもと違うものだった。


「……お前、よく解るな…。……新しいものを手に入れてな、……さすがだな…」
「………なんか、…変なの、……入って………る………」
「…ああ、まだ勝手に動くなよ。少しは我慢しろ、イツキ」


じりじりと蝕む感覚にイツキは腰を揺する。
黒川は寝室の薄明りの中、悶えるイツキを眺めほくそ笑む。






お互いの深意は解らずとも、とりあえず、身体は繋がる。
繋がれば忽ち陥落する。疑問点など、軽く溶けてしまう。
目の前の問題には目を瞑り、適当な妥協点をみつけてやり過ごすのは、

……二人の駄目な所だった。








posted by 白黒ぼたん at 21:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
2人の駄目なとこだった
今までの2人を見ていると妙に納得です
Posted by はるりん at 2020年06月27日 07:18
真面目に考えなきゃいけないこと
沢山あるんですけどねー…

まあ…いいか……っ
Posted by ぼたん at 2020年06月29日 23:49
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