2020年07月17日
バカンス・15
足を絡め、覆いかぶさるようにして壁に手を付いて、イツキを見下ろす。
イツキは……こんな状況にも慣れているのだろう、慌てず騒がず、……静かに、困る。
「大丈夫だって。…俺、そっちの趣味は無いからよ。ただ、……もうちょっと見たいんだよね……。……あんたさ、どっか、弄ってるの?」
「……弄ってる?」
「整形とか、ホルモン注射とか…。いや、知り合いにニューハーフとかいるけどよ、……出来が全然違うんだよなぁ、出来が……」
男は、イツキの頬に手をやる。
顔を背けると、空いた首筋に手をやられるのは、お約束。
「肌もキレーだしよ。……カラダ、どーなってんのか……、…ちょっと見たいんだよな…」
「………見るだけで、………済むの?」
「だから、…そっちの趣味は無いからよ。…ケツの穴なんか、穿れねーわ。…胸も無いんだろ?………どうやったら、……感じるんだ? ……イクときは……、どんな声、出るんだよ……」
趣味は無いと言いつつ…、イツキを触る男の手は、今から落とすオンナを触る手と同じだった。
首筋から胸元に下り、腰を辿り、……遠慮がちに、前を触り、指で引っ掻き
すでに張っている自分の腰をこれみよがしに押し付ける。
耳の傍で煽る様に小声でささやき、耳たぶを甘噛みする。
「………趣味じゃないなら、………止めた方がいいよ……」
「……ん?」
少し湿った声でイツキが応える。ちらりと視線だけを流し、男を見つめる。
「……俺に絡むと、面倒臭いコトになるよ。……バックに、怖い人、いるし。
それに………、
うっかりエッチしちゃったら…、………戻れなくなっちゃうよ?」
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