2020年07月17日
バカンス・16
男は、本当に男を抱く趣味は無かった。
ここいらでは見掛けない美形が昼間から日本酒を煽っているのが物珍しくて、面白半分、声を掛けただけだった。
それが思いのほか大当たりで……、男自身少し、焦る。
バックに「怖い人」が付いているのも確かだろうし、迂闊に手を出すとヤバイ気配も、解る。
自分の刺青を見ても平然としている。嫌だの、怖いだの、怯える事もない。
白過ぎる首筋を無防備に晒して、見上げる視線は、誘っているようにも見える。
事実、…男が勃ちかけた股間をイツキの身体に押し付けると、イツキは少し腰を震わせ、「………ん」と艶めいた吐息を洩らす。
イツキはイツキで、本気でこんな場所で、どうこうなる気はしていなかったのだけど。
………残念ながら、……日本酒を二杯飲んだ後の身体は、……あまり言う事をきかない。
「………あっ……、………ん……」
「エロい声、…出すな。………止まらなくなる…」
「……止まる、気………ある、……の……?」
とりあえず男はイツキの首筋に顔を落として、身体のそこいらを弄ってみる。
シャツの上から乳首の突起を見付け、カリカリと引っ掻くと、イツキは面白いように反応してさらに声を洩らす。
こんなコトで、こんな風になるなら…、素肌に直に触って刺激を与えたら……どんな風になるのだろう。
喘ぎ声が耳に絡む。男にしては高い、それでも女とは違う。…もっと極まった時には、……どんな声で鳴くのだろうか。
「……あんただって、このままじゃ収まんねぇだろ?……続き、……するか?」
男はそう言って、イツキの股ぐらに手を伸ばす。
…イツキが首をこくんと縦に振る…のを遮ったのは、意外なものだった。
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