2020年07月29日

バカンス・23








「……俺もカナエさんに誘われた。メシ終わったら、部屋においでって…」


イツキたちは本館。女子達は別館。
ビーチでの遊びが終わり、着替え、食事を取る場所は別々だった。
イツキと梶原は離れのレストランに向かう。今日のスペシャルメニューは、鯛とノドグロの刺身だった。


「……フフフ。ヤバイよな。カナエさん22歳だってさ。お姉さんだな、フフフ…」


女子に誘われたのが余程嬉しかったのか、梶原は始終にやけ顔だった。


「……梶原、行って来ていいよ。……俺は行かないけど」
「…ええっ なんでだよ、イツキ」
「疲れたもん。……もう、寝る」


イツキにすれば、今日はよく頑張った1日だった。
昼間に動き回るのも、海に入るのも、普段の生活からは有り得ない、信じられないような行動だった。
食事の間も、何度か欠伸を噛み殺すほど。すでに体力の限界だった。


「……勿体無い。……せっかくのお誘いなのに」
「もう一杯、遊んだじゃん。…あと、何するのさ?」
「……何って…、………オマエ……、あ…」


口籠る梶原。目をキョロキョロとさせ、鼻の下を伸ばし、何かを想像したのかニヤリと笑う。

イツキはその顔をみて、やっと、………本当に今になってやっと、事情を察した。






「………誘われたのって、それ?………俺が?………するの?されるの?」



いつもとは立場の違う話に、イツキは多少、混乱していた。






posted by 白黒ぼたん at 22:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いっちゃん、女子相手にするの?されるの?
って(爆°∀°笑)
経験ないんだもんね
わからないよね
梶原はいっちゃんが一緒じゃないと勇気がなくて行けないのでは笑
Posted by はるりん at 2020年07月30日 05:39
ふふふ。
せっかくのバカンスなのですから
2人まとめて、面倒見て貰えば良かったのにw
Posted by ぼたん at 2020年07月31日 19:39
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