2020年08月06日
バカンス29
「仕事」が無いと解り気が緩みすぎたか、夕食を終える頃にはイツキは真っ直ぐに歩けないほど酩酊してしまっていた。
部屋に入り、黒川にしな垂れ掛かり、融けるようにベッドに倒れたのも、その為だった。
顔を見合わせて唇を重ねて、は、飛ばして。
すぐに一番感じやすい場所への愛撫が始まる。
ちろちろと黒川の舌先がイツキの肌をなぞるだけで、イツキは簡単にイってしまいそうになる。
この男は本当にズルい。と、思う。
意地悪をする時とそうでない時の差が激しい過ぎるのだ。
文句の一つも言う間も貰えず、快楽の底へ引きずり込まれる。
口を開けば出るのは喘ぎばかり。そんなに拡げて、音まで立てて舐められては、困る。
「……マサヤ」
「……ん?」
「……女の人といた…?」
ふと、イツキは思い出す。
2日前に電話で話した時、確かに黒川の傍には女性の気配があった。
「……俺だって、仕事も付き合いもある。メシぐらい食っても構わんと思うがな…」
「……そっか……」
イツキは、本当は黒川は、自分をこちらに追いやって…その間、好き勝手にしているのかと思っていた。
遊んで良いと言いつつ、「仕事」を忘れるなと言い、見張りの様に女将に日々の様子を連絡させて………
……まあ、それはほぼほぼ、正解ではあるのだが……。
黒川の手が深く、イツキの中を抉る。
「……なんだ?……ヤキモチか?」
「…………違うよ…!!」
黒川のくだらない軽口を、イツキは必死に否定する。
黒川はおかしそうに、ふふと笑う。
「安心しろ。……お前の方が、……イイ」
緩んだイツキの穴に黒川は自身を埋め、そう言う。
イツキも、『……俺も竹本さんより、マサヤがいいや…』と言ってやろうかと思ったが。
一週間ぶりの黒川の感覚が、良くて、他の事はもうどうでもよくなっていた。
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