2020年09月08日

寿司割烹なか井・5








「どうしたの?神妙な顔しちゃって」


最後に出された季節の果物ジェラートを食べながら
イツキは難しい顔をしていたらしい。松田が尋ねる。


「…イツキくん、変なコト考えてるでしょ? 別に黒川さんが好きって、そういう事じゃあ無いよ?」
「……えっ、……あ、そうなんですか…」



イツキは
松田の話を聞いてつい…、…その先の事を考えていた。
気に入った相手に取る態度など、自分の体験の中では、アレしか思い浮かばない。
松田と、黒川が、どうのこうの…だの、考えれば考えるほど不思議だった。

イツキの考えは、松田にも伝わっていたようで、松田は半分笑いを堪える。



「…まあ、それでもいいけどね。ふふ。楽しそうだ。……どっちでもイケそうだしね」
「……どっちでもって…」
「俺が黒川さん、抱いてもいいよ?」
「………やっ……」



松田の冗談にイツキはむせ返り、何を想像したのか顔を真っ赤にして慌てる。
その様子を見て、松田は声を上げて笑い出す。



「ははは。まあ、それは無いにしても。
一緒に仕事とか、考えてるよ。丁度俺もこっちで、乗り掛かってるヤマがあるしね。
まあ、これからも、よろしくって事だよ」




松田はそう言って、手元に残っていたグラスの酒をぐいっと飲み干した。












食事が終わり、料理屋を出て、2人揃ってタクシーに乗り込む。
少しだけ警戒はしていたが、タクシーは寄り道することもなく

イツキは自宅へと送り届けられた。








posted by 白黒ぼたん at 22:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
松田さん本当にいっちゃんのこと大切にしてますよね
実はいい人ですね
それにしても黒川が抱かれるとか…!!
想像できません
Posted by はるりん at 2020年09月09日 07:26
そうなんですよねぇ…想像できませんよねぇ…
でも怖いもの見たさもありますよねぇ…笑
Posted by ぼたん at 2020年09月11日 23:30
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