2020年09月15日
ショップ・ハーバル
都内でも大きなターミナル駅。
改札から連絡通路を抜け直結している某百貨店。
最高級品ばかりを扱う店、という訳ではなく、食料品や書籍やファストファッションも並ぶ。
さすがに地上の通りに面したフロアには、誰もが名前を知っているブランドの店が入っていたが
イツキが働く2階は化粧品の他、服飾雑貨や、カフェや、ネイルサロンなどがあるフロアだった。
イツキ自身はまったく気が付いていないのだが
イツキがフロアに立ち始めたことは、ちょっとした事件だった。
その一角に、ハーバルという新しい化粧品のコーナーが出来ることは前々から知らされていたが
ただでさえ女性が多い場所に、綺麗な青年がいる事は、違和感でしか無かった。
「…問題はありませんか?ハーバルさん」
「……大丈夫…だと思います。ありがとうございます、茗荷谷マネージャー」
「ジャケット、間に合って良かったですね。売り場と統一感があって良い。…女性の方は?」
「ミカちゃんは……大谷さんはお昼からです。お昼から、ラストまでなので…」
ハーバルの制服、という程ではないが、イツキもミカも揃いの深緑の上着を着ることになった。
白地に緑のロゴのハーバルと、よく馴染む。
シックで上品なジャケットに包まれた、まだあどけなさの残る、白い肌の男の子。
はにかむ笑顔は可愛いというより、何か、艶めいていて……他の売り場の女子達は目が釘付けになっていた。
フロアマネージャーの茗荷谷に連れられて、イツキは隣り近所に挨拶に回る。
それから、商品の最終確認をして、大きく息をつく。
開店時間を告げる鐘の音が響くと、イツキはぶるりと身体を震わせる。
それは、初めての男とセックスする時の感覚に、良く似ていた。
ミカちゃんの苗字って……今まで、出ましたっけ??
もし出てたらアレなんですけど……、今後は大谷でお願いします…ww
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