2020年09月16日

夜のふたり







真夜中。仕事を終えた黒川が部屋に戻ると
寝室の広いベッドに、イツキが眠っていた。
自分の部屋が欲しいだの言って、隣のクローゼットにベッドを入れていたのは何だったんだと、黒川は笑う。


一度キッチンに向かい、酔い覚ましの水を飲む。
皿に取り分けてあった小さなコロッケのようなものを、口に入れる。
それからシャワーを浴び、ソファでくつろぎ、煙草を一本吸い、また寝室に戻る。
イツキは先ほどと同じ、ベッドの真ん中で身体を九の字にして、眠っていた。


少し、イツキを押し退けて、黒川がベッドに上がると
イツキは目を覚ましたようで何度か瞬きをし
寝ぼけているのか、本当に甘えているのか、黒川の首に腕を回し抱き付く。

「………おかえりなさい」
「…ああ」
「やっぱり、こっちの方がいい。…背中、痛くなんない…。……俺、今日、つかれた…」



そう言って、安心したように息をついて、また眠りに落ちて行った。







しばらくイツキの寝顔を眺めていた黒川だったが
手持無沙汰になったのか、……イツキの股間に手をやり、弄りはじめる。
寝ているくせに、ぴくりと反応し、眉頭を寄せる様子が面白い。
首筋に舌を這わせると、微かに塩気を感じる。シャツの上から乳首を触る。爪先でカリカリと引っ掻く。

そのうちイツキはどうにも落ち着かなくなってきたのか、腰をもぞもぞと動かし出す。
無意識のくせに、身体をくねらせる姿は、卑猥過ぎる。



黒川はふふふと笑って、




この日は、寝た。






posted by 白黒ぼたん at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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