2020年09月28日

記録・1








ある程度の暴言も暴力も、慣れているイツキだったが
だからと言って、受けて、何も傷つかない訳ではない。

その日、黒川の使いで西崎の事務所に行き、西崎に
他の男達がいる前で、もの凄く酷く下品な言葉でからかわれた事は
実際に身体を弄られどうこうされる事よりも、イツキを辱めた。


「……やだな、西崎さん。そういう事はマサヤに言って下さいね。じゃ」


軽く受け流す風を装い、ニコリと笑って、足早に事務所を出る。
扉を閉めると中からは、これみよがしに、馬鹿にした笑い声があがり
さらに、イツキの惨めな気持ちに追い討ちを掛けた。




涙も嗚咽も溢さないように、口を真一文字にきっと結ぶ。
確かに、言われた事は事実なのだし、今更隠し用もないし、どうなるものでもないし。
西崎がいくら自分の…尻の穴の具合を人に話そうが、別に何も、変わることはないのだ。








「……大丈夫か?……イツキ」



事務所の建物を出て通りに向かう途中で、声を掛けられた。






佐野が、あまりに酷い様子を見兼ね、そっと後を追って来たのだった。






posted by 白黒ぼたん at 23:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
可哀想ないっちゃん
西崎下品な男ですよね
佐野っち慰めてくれるのかな?
体で??
Posted by はるりん at 2020年09月29日 17:23
慰めちゃって良いですかね?
佐野はその気満々だと思いますよ!
Posted by ぼたん at 2020年10月02日 23:16
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/187971910
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック