2020年10月12日

悪い男達








イツキに振られ佐野が事務所に戻ると
何を勘繰ってか西崎が、イヤラシイ笑みを浮かべて待っていた。


「……ずい分、早いじゃないか。……用事は済んだのか?」
「……紫苑のオーナーに印鑑貰うだけっしょ?……終わりましたよ」
「ん?……イツキとしけ込んだんじゃねえのか?」


そう言って、周りにいた数名と、また笑う。

イツキが西崎の事務所を出て、そのすぐ後に佐野が出て行ったのだ。
やはり誰もが、そういう想像をするのだろう。
…まあ、佐野も、そう思われるのは仕方が無いと思っていた。
ふんと鼻息を鳴らし、わざと軽く、茶化して見せる。


「あー、駄目っす。あいつ、最近、付き合い悪いんです。ハハハ」
「…マジ、最近、お高く止まってやがるな。何様のつもりだよな、まったく…」
「…ほ、本当っすね……」




この場では

話を合わせるのが正解。

所詮、佐野は、西崎の所のチンピラなのだ。




「…はは。まあバレたら社長に怒られますしねー、仕方ないっすよねー」
「…社長も甘やかし過ぎなんだよな…、……ちょっとアレがイイだけのガキによ。………おい、佐野…」

西崎が、佐野を手招きする。佐野は、西崎のデスクの前まで行く。
西崎はデスクの引き出しから何かを出し、佐野にすっと差し出す。



「……メシぐらいなら行けるだろ?イツキと。……コレ、使えや」
「……………さすがにヤバイんじゃないっすか?」


透明な小さな袋には、怪しげな粉薬が入っていた。


「…あー、全然、全然。眠くなるだけだ、跡も残らんし。……どうせ、あいつ、酒飲むだろ?
……その日は少し、酔っ払っちまったって事だよ、良くあるコトだろ?
……どこかに連れ込んでな、……そしたら、……呼べや?、な?」




そう言って、西崎はまた、にやにやと笑うのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
西崎、やっぱり嫌な奴!!
佐野っちどうする?
Posted by はるりん at 2020年10月13日 06:05
ね。どうするでしょうね、佐野っち。
とりあえず薬はポケットの奥にしまったらしいですよ。
Posted by ぼたん at 2020年10月14日 23:07
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