2020年10月17日

イツキとダニー・3








「お客様のお体を気遣うのが一番です。お客様の立場になって寄り添い
真摯にお話を伺う事。むやみに謝れば良いというものでもありません」

「……はい」




太った夫人が帰った後で、茗荷谷は静かにイツキに注意する。
ハーバルの上司ではないものの、やはり売り場全体の責任者である以上
基本的なことは、守らせなければいけない。

イツキは、大人しく話を聞いているが……どこかで少し、納得行かない様子。
『あのオバサンが勝手に買い物して、勝手に体調悪くしただけじゃん』と、喉の途中まで出かけて…飲み込む。

そんなイツキの心のウチを察してか、茗荷谷は小さく息をつく。




「どんな状況であれ、販売員さんは、商品に責任を持たなければいけませんよ。
ハーバルさんのお品は、良いものなのでしょう? 自信を持って、お勧めしているのでしょう?
ならば最後まできちんと、対応しなければね。
理不尽だからとすぐに癇癪を起こしていては、仕事は務まりませんよ?」

「……はい」







一通り説教を垂れて、茗荷谷はハーバルを離れ、自分の仕事に戻って行った。

イツキは当然、少々、落ち込む。
夫人に怒鳴られた事も、茗荷谷に諭された事も……今までにあまり経験のない事で


改めて……一般のこういった場所で働くというのは…難しくて、怖くて、責任のあるものなのだな…と、思う。





しばらく経って、夕方の時間帯のミカが売り場にやってくる。
イツキはミカの顔を見ると急に泣き出し、ミカを驚かせた。








posted by 白黒ぼたん at 23:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
そんな経験をしたことがなかった
いっちゃん泣いちゃった〜
可愛いですね〜
Posted by はるりん at 2020年10月18日 06:35
普通の仕事はまだまだって感じですね。
これから頑張って!
Posted by ぼたん at 2020年10月19日 22:47
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