2020年10月20日

イツキとダニー・終







翌日。やや重い足取りでイツキは店に行く。
また昨日のような客が来たらどうしようかと…溜息を一つ付く。


通用門から入りスタッフ詰所へ。ロッカーで制服のジャケットを羽織り表に出ると
茗荷谷がいて、イツキに気付く。
イツキも、ぺこりと頭を下げる。


「…おはようございます。…昨日はありがとうございました…」


イツキの声に元気が無いのを察したか、茗荷谷の表情が少し緩む。
茗荷谷は詰所の奥の事務室に向かう所だったのだが、ちょいちょいと手招きをして、イツキを誘う。


「おはようございます。まだ、昨日の件、気にしていますか?」
「………はい。……ちょっと……」
「はは。良いことです。どうすれば良かったのかと、色々考えることです。そうすれば次は上手く対応できますよ」


話しながら事務所まで来ると、茗荷谷はデスクの引き出しから何かの紙を取り出し、イツキに渡す。


「サービスフロントに『お客様ご意見箱』がありましてね、そこに手紙が入るんです」


そこには『ハーバルで働く若い男の子の対応が丁寧で、とても良かった』と、お褒めの言葉が書かれていた。
イツキはまた、少し、泣きそうになる。





「まあ、こんな声も届いています。ハーバルさん、評判は良いですよ。
あまり気落ちせず、頑張って下さいね。……笑顔でね」







頭を下げて礼を言って、イツキはハーバルの売り場へと向かう。

茗荷谷のお陰で、今日も一日、頑張れる気がした。







posted by 白黒ぼたん at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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