2020年10月25日

食事会・2








「ね、ね、イツキくん。今日ね、仕事終わったらユウちゃんとカラオケに行くんだけど
一緒に行かない? あたし達、20時までだから、ちょっと待ってて貰わなきゃなんだけど…」



もうじき上がる時間のイツキがミカに作業の引き継ぎをしていると
ミカは、それよりも大事な話しがあると、イツキをカラオケに誘った。

けれど、この日は、黒川と約束がある。



「ごめんなさい。今日はこの後、用事があるんです」
「そっかー。残念。ユウちゃん、イツキくんと遊びたがってたんだけど…」
「また今度、誘って下さいね」



そう言ってイツキはニコリと笑う。
世間一般の社交辞令も、言えるようになったらしい。





そうして、定時で仕事を終え、イツキはスタッフ詰所に戻り、制服のジャケットを脱ぐ。
替わりに羽織ったのは、いつもの『仕事』の黒スーツだった。
ロッカーの小さな鏡を見て、ネクタイを締め直す。
同じ、制服でも、ずいぶん様子も気分も違うと、イツキ自身、思っていた。



支度を終えスタッフ詰所を出ると、廊下で茗荷谷とすれ違った。
イツキは普段通り「お先に失礼します」と頭を下げ、通り過ぎる。

茗荷谷も「お疲れさまです」と言って、通り過ぎ……けれど、少し行った所で足を止める。








何か違和感を覚えたのだが、それが、黒いスーツのせいだと気付くまでに
そう時間は掛からなかった。








posted by 白黒ぼたん at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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