2020年11月13日
二度見
仕事を終えたイツキがケータイをチェックすると、黒川から着信が入っていた。
イツキは、仕事中は電話には出ない。売り場には持って来ているが、見ている暇がないし
見ることも忘れてしまう。
本当に緊急の場合は、売り場の直通電話に連絡をして欲しいと言っているが
まあ、黒川がそんな場所に電話を掛けて来ることは無いだろう。
着信は、2時間ほど前。
何か用事でもあるのかと、イツキはジャケットを着替えながら慌てて電話を掛けた。
『………ん。…終わったのか。…ああ、今、裏側の……トラックの出入りする所にいる』
黒川は
気紛れで仏心を起こしたのか、イツキを食事にでも連れて行こうと、百貨店の近くに車を停める。
けれど生憎、仕事が何時までなのかを知らなかった。
繋がらない電話に悪態をつき、煙草を吸い、近寄って来た見知らぬ男を一睨みし
あと10分待って来なければ帰ろうと思い、そのまま………つい、寝入ってしまった。
そして、イツキからの着信で目を覚ます。
イツキに居場所を告げて改めてケータイを見ると、時間が、思った以上に過ぎていて
黒川はケータイを二度見してしまった。
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