2020年11月30日

可哀想な関くん








茗荷谷と酒を飲んだ翌朝、関の体調は最悪に近いものだった。

二日酔いになる程、飲みすぎた訳ではない。
ただ少し、ペースが早かったのかも知れない。
バックヤードで見かけた面白い男子店員の事を茗荷谷に話してからは
妙に、テンションも高く、落ち着かないところもあった。


それでも帰り道ではまだ、頭ははっきりとしていた。
一人暮らしのアパートに帰る途中に、コンビニに寄った。
水と牛乳と、明日のパン。それから……雑誌コーナーで足を止める。
……アダルト系のコミック雑誌。普段なら可愛い妹系を選ぶのだが…
たまたま目に付いた、「男の娘」特集とやらに手が伸びてしまった。


部屋に帰ってからパラパラと雑誌をめくる。
オンナノコみたいなオトコノコ。
今まで、そんなモノには興味も無かった。第一、気持ち悪いだろう、現実にいたら。
……そう思っていたのだが、……あの男子店員なら、アリなのかも知れない。


『…ああ?…馬鹿か、俺は。何、考えてるんだよ。…ちょっと、腰とか、細かっただけじゃねぇか。
…ヤバイヤバイ。これじゃあ欲求不満のアブナイ奴だ。俺、キモいわ!』



ただの男子店員と接しただけで、何故かそういった事まで考えてしまう自分に戸惑い、自嘲し
関は雑誌を放り投げ、布団に潜った。










朝。


目が覚めて関は


今しがた自分が見ていた夢を思い出し、酷く、動揺した。









posted by 白黒ぼたん at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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