2020年12月27日

特別な日・最終話










「……まあ、もう少しなら……、優しくしてやるよ。
あまりお前の機嫌が悪いのも…嫌だからな。
…朝メシが用意してあるのも、…結構、好きなんだぜ?
美味い下手は別にしてな。………はは。

だから、イツキ。

……俺の傍にいろよ。………な?」






独り言のように黒川はそう言い、最後にもう一度、イツキにキスをする。
その唇が離れると同時に



「…それは…、マサヤ次第だけどね」



と声がして、黒川は……起きていたのか…と、軽く驚く。







「……あんまり、酷いようなら、俺、出て行く。……もう、二十歳だし。大人だし」
「…そうだな、オトナだな…」
「…本気だよ?………俺、すごい今、我慢してるんだからね?」
「ああ。……悪いな。………もう少し、頑張れ……」




珍しく聞く黒川の甘い声色に、イツキは反論する気も失せたのか、後は静かになる。
もともと疲れているのだし、それに酒もかなり飲んでしまった。
あまり良い日にならなかった昨日を、このひと時で水に流せるほど、簡単な物では無かったが

少しは、何かが、進んだ気がして、それで満足してしまった。





ちなみに

満足して寝入ったイツキは数時間後…
飲み過ぎのため、黒川の胸元に嘔吐する。
後片付けはすべて黒川がするのだが
まあ、それ位は、して当然という話。







posted by 白黒ぼたん at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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