2020年12月30日
イツキと黒川
年の瀬。
デパート販売員のイツキは、忙しい日々を送っていた。
正社員ではないのだし、あまり厳しいシフトにはしていないのだが
それでも、忙しいものは忙しい。
朝。アラームの小さな音で目を覚まし、隣に寝る男を起こさないように、静かにベッドから抜け出す。
イツキが寝室に使っていた部屋は、………先日、少し汚してしまったため、今は使用禁止になっている。
キッチンで湯を沸かしコーヒーを入れ、夕べ買っておいたサンドイッチを摘まむ。
ローストビーフとレタスとゆで卵。これなら自分でも作れるかも知れない…と、パンを捲って具材を確認する。
「……ああ、でも、このからしマヨネーズみたいなのが…、……味が…、難しいんだよな…」
そんな事を呟きながらふと壁に掛かった時計を見ると、もう、出掛ける時間。
イツキは慌てて残りの分にラップを掛け、冷蔵庫に仕舞い、身支度をして仕事に行くのだった。
何をしているのか解らない黒川は、いつでもまあまあ、忙しい。
昼頃に起き出し、適当にあるものを食べ、事務所に向かう。
一ノ宮と真面目にデスクワークに励む日もあれば、外に出て、人に会ったり酒を飲んだり。
部屋に戻るのは大抵、真夜中。
まず、キッチンで酔い覚ましの水を一杯飲み、リビングのソファで一服してから、寝室に入る。
ベッドでは、すでにイツキが眠っている。
「………ど真ん中で寝やがって……」
黒川はそう言って、笑って、イツキの身体を少し押しやり
空いたその場所に横になる。
腕を、イツキの肩に回すと
イツキはもぞもぞと身体を動かし、黒川の腕の中に、納まった。
年内更新ラストでございます。
この一年、◎スイッチ◎に来てくださり
ありがとうございました。
来年もどうぞご贔屓に。
拍手・コメントなど頂けると
明日の活力になりますので、ぜひ♪
みなさま、よいお年をお迎えくださいませ。
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いっちゃんと黒川さんの関係に
時にハラハラしたり
幸せそうと思ったり
楽しませていただいてます!!
来年もよろしくお願いします
いっちゃんと黒川。
この先、どうなるか解りませんが
一緒にドキドキしてくださいね♪