2021年01月12日
男子会・4
これ以上の茗荷谷の追及から逃げる様に
イツキは小走りでその場から離れ、大通りに出ると、すぐにタクシーを拾う。
少し酔いが回っていたが、大丈夫。マンションの場所をちゃんと告げると
やっと一息という風に、シートにゆっくりと身体を預けた。
「……マネージャー…、なんであんなに…、俺のこと心配するんだろう。
………俺がふわふわ危なっかしくて、何か大失敗するんじゃないかと…思ってるのかな。
……まあ、確かに……、解るけど………。問題起こしたら…、店の問題になっちゃうもんね……」
やけに自分を気遣う茗荷谷を、イツキは不思議に思っていたが、あくまでそれは業務上のことで
……性的な感情があるなどとは…、……露ほども思わず。
自分が、ある種の男を惑わせる何かを垂れ流しているとは、知っているが
まさか、茗荷谷の様な男がそれに引っ掛かるとは、思ってもいなかった。
さて。
イツキと居酒屋の前で別れた茗荷谷はその数分後
また、同じ店に逆戻りしていた。
丁度、仕事終わりの、関が、居酒屋に立ち寄り
店先でバッタリ、出くわしたのだ。
しかも、関は
茗荷谷とイツキが二人で立ち話をしているのを見掛けていた。
「……マネージャー。……あの子に壁ドン、してましたよね?」
まだ飲み始めてもいない関が、据わった目で、そう尋ねて来た。
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