2021年01月13日

男子会・5







「とりあえずビールで……、ああ、いや、日本酒。冷で。おちょこ二つ。
……何、話してたんですか?マネージャー。……まさか、口説いてたんですか?」


少し店が混んで来たのか、今度は2名掛けの小さな席。
その分、向かい合わせの、顔が近い気がする。
関は注文もそこそこ、すぐに茗荷谷に詰め寄り
途中運ばれて来た日本酒をぐっと一気に煽ると、さらに、顔を近づけた。

「………マネージャー?」
「関くん。……何の話しですか?……岡部くんとは、ただの世間話ですよ…」
「だって、すげー、顔、近かったじゃないっすか!……俺、最初、キスしてんのかと思って…!」

思わず、大きな声が出てしまい、関は自分でも驚いていた。
まあ、それ以上に驚いたのは茗荷谷だったが。


口説くだの、接吻だの、それはまるで好意のある異性に対してする事ではないのか。



「……関くん。……岡部くんは…男の子ですよ?……はは」
「…ははは。……まあ、そうっすよね。……いや、だから、何、してたんだろうなーって…」
「別に、普通に、仕事の話とか。……困っている事はないですか、とか、その程度ですよ」


茗荷谷も関も、ははは、と笑う振りをして、なんとなくやり過ごす。
お互い、何がそんなに気になり、気に障るのか……まだ、解ってはいない様子。

関は自分を落ち着かせるために、ふうと大きく息を付き
今度は静かに、酒を飲む。茗荷谷の御猪口にも、酒を注ぐ。




「…それで、何か、困ってるコト、ありました? 仕事でヘマでもしてました?」
「……ああ、いや。…………いや、何も………ないよ」




茗荷谷も、酒を飲む。
茗荷谷は嘘を付くのが下手だなと、関は思った。





posted by 白黒ぼたん at 23:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いっちゃん
何もしてなくても
周りの男たちが惹かれていきますね〜
本人の自覚がないだけに困ったものです笑
Posted by はるりん at 2021年01月14日 06:31
無駄に色気を垂れ流していますからね。
もう、周りの方々がお気の毒で……笑
Posted by ぼたん at 2021年01月15日 14:28
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