2021年01月16日
男子会・最終話
翌朝。
茗荷谷は若干、二日酔いの頭で
何をするにも精彩を欠き、動作は鈍く、周囲の者をハラハラさせた。
酒に、強いほど強くも無いが
性格的に、潰れるまで飲んでしまうタイプでもない。
一体、誰と酒を飲み、こんな状態になったのかと
女子社員の、格好のウワサ話の種になった。
「おはようございます。マネージャー。……昨日はありがとうございました」
「………ああ。岡部くん。……オハヨ」
「ん?……マネージャー、……調子、悪そうですか?…そんなに飲まれては、無かったですよね…」
「はは。あの後、知り合いとちょっと飲み直しちゃってね。…いや、大丈夫…」
ハーバルの店舗の前で、茗荷谷はイツキと軽く立ち話をする。
相変わらず、綺麗な笑顔。白い首筋が目について、慌てて茗荷谷は視線を逸らせる。
「それでは、また」と店内を巡回する振りで、ハーバルの前を離れる。
少し眩暈がするのは、おそらくまだ、酒が残っているからだろうと思った。
昨夜。泥酔して曖昧な記憶の中。
関の言葉だけが鮮明に、思い出される。
『……マネージャー。俺…、………あいつのコト、……好きかも知れないっす。いや、男って解ってますよ。
解ってるからこそ、ちょっと……、…試してみたいっつーか…
……こう、……その、……シたらどうなんだろうって……、………気になりませんか?
ああ、ヤベェ。……俺、欲求不満か?………でも、そう思いません?………あの、首筋とか…!』
そして、それを一瞬でも考えてしまった自分に
茗荷谷は酷く、驚いていた。
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