2021年01月18日
心の声
イツキの巣箱に新しいベッドが届いた。
ベッドと言ってもマットレスだけだったが、寝心地は十分。
年末に…少々汚して以来、巣箱は使えなくなっていたが
その間に部屋も片付け、まあまあ、良い空間が出来上がった。
『…俺が夜中に帰ると、お前がベッドのど真ん中で寝ていて、邪魔だ。
朝も俺より早く起きるから、途中で起こされる。……まったく』
寝室のベッドで二人で寝ている時には、黒川は散々そう言って、ふんと鼻息を鳴らしていた。
イツキが巣箱に戻ると、『これでゆっくり寝られるな』と言って、笑った。
「イツキ」
2、3日経って、口を開いたのは黒川の方だった。
「お前が横に寝ていないと、…寒いな」
「……何、俺。……寒さ避け?」
「まあな」
それだけ言うと黒川はコーヒーを飲み、新聞を捲る。
イツキは、……では、新しいストーブか、布団に湯たんぽでも入れてやろうかと思う。
これで、この夜、イツキが黒川のベッドに入れば
『…なんだ、ヤリたくなったのか?』等と言われるに違いない。
「……ん、何か言ったか?イツキ」
「ううん。何も」
イツキは心の中でつぶやいた 『面倒臭いオトコ!』 が聞こえてしまったのかと
一瞬、ドキリとした。
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素直になれないのはわかるけど
この人は変わらないですよね〜
やな男。嫌われるわー(笑)