2021年01月21日
女子トーク
「ミカさん。……関さんって知ってます?……配送課の」
昼過ぎにミカが出社する。
仕事の引継ぎより何よりまず、大事な話。
「納品の荷物、持って来てくれたり、伝票作ってくれる人なんですけど……」
「知ってるよー。ココの社員さんだよね。関浩二28歳。半年前まで下の食品館のナナさんと付き合ってた人でしょ。別れた理由は知らないけど。
…地元では結構ヤンチャだったみたいだから、その辺が合わなかったのかな、なんて思うけどね。ほら、ナナさんってすごいおしとやかタイプでしょ。お花、やってるんだって。
でも、関さん、人は良いと思うんだよね。優しいっぽいし。ユウちゃんが、倉庫の片付け手伝って貰ったって言ってた。
ビニールハウス農家の次男坊なんだって。ああ、でもでも、あたしは無理だけどー」
ミカは、新しく入った商品を棚に並べながら関の話をし、自分はタイプでは無いと、ふふふと笑う。
イツキは、思っていた以上の情報に、驚く。
「それで?その関さんが、どうかしたの?」
「……あ、いえ。今日、ちょっと話をして…、どんな人なのかなって。
……なんか、友達みたいな感じで…グイグイ来て……、今度飲みに行こうって誘われて……なんだろうって……」
「……それは、イツキくん………」
ミカは、空いた手で口元を押さえ
『イツキくんに気があるのかもよ?』
と、言わんばかりに、大袈裟に目を見開く。
イツキにも、その雰囲気が伝わる。
「……飲みに行くとしたらミカさん、一緒に来て下さいね」
「えええ、どうしよっかなー。もう一人、誰か、誘わない?……ふふふ」
この日は一日。
そんな女子トークばかりで
まるで仕事にはならなかった。
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女子トークそのものですよね
可愛い〜
実はすでに、お店中の男子の情報を
集めているらしいですよ!
ダニーも!?