2021年02月21日
一難去って
「イツキ」
呼ばれて、イツキは顔を上げる。
呼んだ佐野はめずらしく真面目な表情。
ふん、と一つ、鼻息を鳴らす。
「………ハハハ。俺もそーと、酔ったわ」
あっと、思う間もなく……佐野はそう言って笑って、同時に
イツキが手に持っていたグラスと奪うと、それを一気に飲み干した。
「……やだ、佐野っち。自分の水、あるじゃん……」
「………んー。…お前と間接チューがしてくてよ」
「………もう!」
怒るイツキに、佐野は自分の手元にあったグラスの水を差し出し
それを飲むイツキを眺め、「……じゃ、帰るか……」と席を立った。
会計に向かう佐野は少し、ふらついているようにも見えた。
イツキは、佐野はそんなに飲んだだろうか…とも思ったが、甘いお酒は口当たりが良い分
飲み過ぎてしまうのかな…と、自分の感覚も交え、思う。
つい飲み過ぎて、正体を無くし、気が付くと知らない場所でセックス中、など
よくある事で、多少はイツキも、気をつけているつもりだ。
「………イツキ、タクシー呼ぶか?……歩いても、すぐだけど……」
「…………歩いて帰る。………佐野っち、平気?」
「…平気じゃねーよな、佐野。べろんべろんじゃねぇか…」
別れ際、店の前で佇む二人に
近付き、声を掛けて来たのは
西崎だった。
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西崎来た〜!!
助けて〜!!
佐野っちは偉かったんですけどねー…
詰めが甘かったですねー…
はるりん様
ふふふふふ。
来ました。西崎♪
助けは……来ないと思います。ふふ。