2021年02月22日

また一難








『今度イツキと飲む時には、一枚、噛ませろや』
と、佐野は西崎に言われ
いわく、『ちょっと酔い方の酷くなる薬』を持たされていた。

そして今宵
イツキから誘われ、格好の機会。
点数を稼ぎたい佐野は迷った末に、イツキのグラスに薬を入れ

そしてまた迷った末に、そのグラスを自分で飲み干した。

昔からの馴染みの可愛いイツキ。
昔と今では状況が変わったとは言え、やはり
佐野はイツキを、守ってやりたいと思っていた。




しかし、立ち回りが拙かった。



佐野は、イツキに誘われ事務所を出て行く時に、その場にいた連中に
見栄を張り『大物を釣り上げて来る』と吹聴していた。
その後、事務所に戻った西崎がそれを聞き
まあ他の用事もあり、近所の飲み屋を気にしていた時に
イツキと、千鳥足の佐野を見つけたのだった。







「…なんだよ、佐野。お前が酔っ払ってどうする」
「……あー、すん…ま……せん…、いや、…あー…」 

みるみるうちに酩酊する佐野。
ただの酔っ払いか、他に何か理由があるのか、どちらにせよ

この機会を逃す西崎では無かった。





「悪りぃな、イツキ。コイツ、送って行くからよ。
ちょっと手ぇ、貸して貰えねぇか?」






posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
まずいですよ!
いっちゃんわかってるよね!
ねっ!
Posted by はるりん at 2021年02月23日 16:17
解ってはいるんですけど…
脆いコなんですよね…
Posted by ぼたん at 2021年02月24日 20:42
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