2021年02月23日

よくある話







結果だけを言えば、結局
イツキは、西崎に、ヤられてしまった。
よくある話。
どうしようも、無い。






『…こんなに酔っぱらうのも珍しいな、佐野。ハハ。事務所に、寝かして置くか。
すぐ近くだ、悪いな、イツキ。……扉、開けてくれるか? 今、誰もいなくてよ…』

まさか自分に盛ろうとしていた薬で佐野が酩酊したとは、思いもせず。
一緒に飲んでいた相手が酷く、酔えば、多少の罪悪感は沸く。
西崎に頼まれるまま、佐野を抱える様にして一緒に、西崎の事務所に行き
泥酔した佐野をそこらに放ると、あとは……、部屋に、西崎と二人きり。

正直なトコロ、イツキも、記憶が曖昧で
どうして、そうなってしまったのかは、定かではない。
ふと気づいた時には、西崎の上に跨り、腰を振り
無理にでも快楽を引き出す。………もやのように掛かる不安を、なぎ払うように。





西崎は、まあまあ、上手なのだ。何にしろ
そうでなければこの仕事はやって行けない、といった所。






そして、イツキも






嫌いではない、この、行為自体は。



自分が、……性欲や鬱憤を溜めていた事を、知っている。
佐野を呼び出し……結果的に相手は西崎になってしまったが……欲求を晴らそうとした浅ましさも解っている。

汚い気持ちを、汚いもので払う、その方法を
知っている。


それしか知らない事も、知っている。






「……………ん」




あれこれ酔いも醒め意識の戻ったイツキは、西崎の
適当な言い訳を、適当に聞き流し



ソファから身を起こし、タオルで、濡れた個所を拭き拭った。







posted by 白黒ぼたん at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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