2021年02月25日
意地悪を言う黒川
特に気にした訳では無かったが
イツキが黒川と顔を合わせたのは
あの、西崎との夜から、2,3日経っての事だった。
黒川は真夜中に部屋に戻り、少し眠り、またすぐに事務所へ向かう。
仕事が忙しいのは本当のようだ。
……何の仕事なのかは、……イツキは知らないけれど。
珍しく昼間に、リビングに二人揃う。
イツキはコーヒーを淹れ、新聞を広げる黒川の前に置く。
「マサヤ、最近、忙しそうだね」
「………ああ」
「……どんな仕事?」
黒川はコーヒーカップを持ち、一瞬、イツキを見て
また、すぐ、新聞に視線を戻す。
ふん、と小さく鼻で笑われたのは、気のせいだったろうか。
「…別に変わり映えもない。…適当に人とカネを動かしているだけだ。…イツキ」
「………ん?」
今度はイツキが黒川に視線を向ける。
今日の空気は、どこか、痛い。
「……週末な、また松田に会う。…少し、付き合ってやれ。
………佐野と遊ぶくらいだ、どうせヒマだろう」
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