2021年04月05日
残念賞
男同士なのだし、自分は同性愛者では無いのだし
いくらイツキが可愛くて綺麗でソソラレルからと言って
いきなり肉体関係を求めるほど、俺は変態ではない。
と、関は思っていたが
それは単純に心の奥底の欲求を必死に誤魔化しているだけだった。
いざ
上目遣いで秋波を送るイツキを目の前にすれば
そんな誤魔化しなど一気に吹き飛ぶ。
「………クソ、俺、なんでもう一押し、しなかった……」
理性と欲望と緊張と動揺。一瞬、止まってしまった隙にイツキは行ってしまった。
とぼとぼと帰り道を歩きながら、関は溜息を付き項垂れる。
「……アレ、絶対……、キス待ちだったよな……。……なんだ、アイツ……、俺のこと、好きなのか…?」
勿論、関はイツキが、あの状況では自動的に男を誘う生き物なのだと、知らない。
「…恥ずかしくなって逃げたのかな。……ヤベェ、あいつ。………可愛い…」
関は、いらぬ妄想に走り、途中からはいやらしい笑みを浮かべ
擦れ違う通行人から怪訝な目を向けられるのだった。
後日。
関は、茗荷谷に
『……イツキも俺のこと好きっぽいんですよね。……チューまでは、行ったんですけど』
と若干話を盛り、茗荷谷を驚かせた。
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