2021年04月08日
相談
百貨店の営業が終わり、少しして
スタッフ休憩室の片隅には茗荷谷と、ミカの姿があった。
ミカにしては珍しく物憂げな表情。
少し、相談したい事があると言って、茗荷谷を呼び止めたのだ。
「すみません、マネージャー。お時間取らせてしまって…」
「いえいえ。ミカさんこそお疲れ様です。今日は一日通しだったでしょう?……彼はお休みでしたか?」
「………ええ、まあ……」
ハーバルの従業員はミカとイツキの二人きり。早番がイツキで、ミカは遅番。
当然、二人で回すには無理があるが、ハーバルは独立店舗ではないため
百貨店側のスタッフがヘルプに入ることもある。
「実は今日はイツキくん、急にお休み連絡があって…、……あたし、替わりで来たんですけど…」
「シフトを少し見直しましょうか? 本社とも協議してスケジュールを上げて貰えれば……」
「そうですね、それもあるんですけど。……あの…」
自動販売機の紙コップのコーヒーを両手で持ち、ミカは小さく溜息を付く。
「……最近、イツキくんの様子が変で、心配してるんです。
ああ、でも、変っていう程、変じゃないんですよ、フツーなんです。
ただ何て言うか…静かで。…淡淡としていて。上の空って言うか…、なんか…
ある日ふっと、お仕事辞めちゃいそうな気もして……なんだか………」
この日のイツキは明け方まで酒を飲み、男に抱かれ
一応時間に目が覚めたものの、とても、仕事に行ける状態では無かった。
ハーバルの仕事は楽しいし、好きなのだが………まともな時間帯の活動はキツイなと
二度目の愛撫を受けながら、ぼんやりと思っていた。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/188561372
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/188561372
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック